しみやけんの中国株投資

運用状況と投資のアイディア、たまに哲学的なことを書きます。

投資哲学① 絶対に絶対はない

投資哲学シリーズその①

誰しも、座右の銘というか、行動指針のようなものを持っていると思います。

私も3つの投資哲学をもっており、それを書いた紙を机に貼って毎日読んでいます。

今日はその中のひとつ、「絶対に絶対はない」を紹介します。

 

認識されるとリターンが下がる

 様々なブログで勉強していくなかで、

長期投資のやり方は、二大流派があるように感じました。

 

ひとつは高配当投資。優良株かつ高配当株を自分で選択して、配当再投資を愚直に続けていくというやり方です。高配当を選ぶのは、シーゲル教授の研究から高配当株のリターンが長期でよかったからという理由や、インカムが精神的な安定になるという理由からです。

シーゲルランキングなるものがありまして、1957年から米国市場内の個別銘柄を追跡調査し、配当再投資したときのトータルリターン上位20が出されています。

S&P500が名目8~10%と言われている中、1,2位のタバコ株は19.8%と倍近いリターンを出しています。3位以降はBMYやABBTといったヘルスケア株で16%前後、5,6位はみんな大好きコカ・コーラペプシで15%前後。シーゲルランキング上位は日用品やヘルスケアセクターかつ高配当株が多いことから、高配当戦略の根拠となっているわけです。

 

しかし、最近はこうした”高配当優良株”は、人気化して買われたことでただの優良株になってしまいました。コカ・コーラは予想PER25倍で配当が3%前後です。シーゲルランキングの2003年版と2020年版を比べると、全体的に平均リターンが1%程落ちています。(がPERは上昇している)

生活必需品セクターの安定性が認識されてPERが割高な状態が続いているので、益回りは下がり、債券のような金融商品になっていると考えられます。(優良株の債券化

興味深いことに、2003年と2020年の中でタバコ株だけはリターンが落ちていませんでした。タバコ株は優良な財務状況にも関わらず、何度も存続が危ぶまれて高値から半値に落ちるということを繰り返してきました。

不確実性が時間とともに確実性となってリターンが低下傾向にある他のシーゲル銘柄とは対照的に、タバコ株は不確実性が大きかったために、PERが下がり、高いリターンを上げることができたと考えられます。

 

思考停止と思考のシーソーゲーム

もうひとつはインデックスファンドでの消極運用。どんな株が上がるかは予測できないけれど、株は長期で6.5%の実質リターンを上げてきたのだから、すべてを時間分散で買っていけば満足いく結果になるという主張です。

謙虚に市場の平均を低コストで取っていくことで、結果的に大半のアクティブ運用より上手くいくってことです。

 

現在、高配当株は市場平均に劣後しているため、インデックス運用がもてはやされています。あのバフェットもS&P500に投資しろと言っている。

S&P500は素晴らしいリターンにはなりましたが、これからも6.5%の実質リターンを生むでしょうか? 株は元本が保証されていません。純資産と純利益だけが価値のよりどころなのです。PERの逆数にEPS成長率を加えたものがリターンとなりますが、現在のS&P500の益回りは予想で4%程度。純資産倍率に至っては4倍です。

高配当株同様、過去の実績から人気化してみんながインデックスファンドを買うことで高い株と安い株の差が開き、それがさらにパッシブマネーの流入によって助長される・・・

 市場は合理的ではないというのが、時価総額加重平均の限界です。石油を20兆円売っている会社より電気自動車を3兆円売っている会社のほうが3倍も高い。だからS&P500採用銘柄を1銘柄0.2%ずつ均等に組み込んだ場合、市場平均を大幅にアウトパフォームします。もっとも、コストは高くなりますが。

 

このように、消極運用をやる人が増えればアクティブ運用の投資妙味を作ってしまうため、卵が先か鶏が先かの状態になります。常にインデックスファンドが最高なリターンを上げるというものではありませんし、インデックスをやれば損をしないというものでもありません。つまり、思考停止と思考のシーソーゲームです。現在は思考する側が有利になっているように感じます。

(だって、あのウォール街のランダムウォーカーを書いたバートンマルキール氏が個別株に投資しているんですよ。)

 

GIXTに投資しよう

日本人は過去の栄光にすがりたいのか、世界の時価総額ランキングと検索すると1989年のものが出てきます。アメリカはそんな昔のことは気にしてません。それよりちょっと後のランキングが出てます。

GIXTとは、かつて世界の時価総額ランキングで首位を取った米国企業のテッカーシンボル GE・IBM・XOM・T(AT&Tの頭文字を並べたものです。かつてはこの四社がGAFAMのごとく優良株扱いされていました。大学の図書館には「石油帝国!オイルメジャーが世界を支配する」的な本があります。デカすぎて脅威扱いされるあたり、いまのGAFAMとそっくりですね。

GIXTを長期保有した結果どうなったか・・・は各自ご覧になってください・・・

 

ポートフォリオ

 株をやる以上は儲けたい。1億円ほしい。しかし、変動が大きいと狼狽売りするかもしれないから、できればリスク(標準偏差)は小さくしたい。でもやっぱり大きく儲けたい。リスクとリターンは比例するから・・・あれ?、ほんとうに比例するのか?

現在の運用額で億の資産を築くには、年利15%-20%を目指す、リターン狂にならなければなりません。元本の安全性を確保したとしても、値動きの標準偏差は小さくできないでしょう。

 

だから、値動きの乖離を利用するポートフォリオを組みます。

 

具体的に言うと、某太郎の秘密のポートフォリオです。

たしかに、彼のクソダサいポートフォリオは現在市場平均に劣後しています。

しかし、高配当株の再投資戦略が長期でいい結果を出してきた背景には、単に優良企業であるという理由だけではない、相場の力学的なものがあることを発見しました。

そして、彼の考え方・フレームワークを応用して銘柄選択を行い、しみやけん6種なるものを作りました。まだ実績も何も出していないので、恥ずかしくて公表することはできない(したくない)のですが、定期的にリターンを公表していこうと思います。

 

”絶対に絶対はない”という言葉は、矛盾しています。前の絶対が正しければ、後ろの絶対は絶対ではなくなる・・・どことなく、相場に似ていると思いませんか。

これは、ソロスのいう「市場は常に間違っている」に近いです。何かが認識されて、大衆がそれを元に判断して行動を起こすことで、正しかった何かは正しくなくなる。

 

一般的に言われている投資理論や投資法は、間違っているか、ベターではあってもベストではありません。

 

 

と何の実績も出していない私が偉そうなことを書きましたが、これを今から証明していきたいし、証明していくつもりです。