しみやけんの中国株投資

運用状況と投資のアイディア、たまに哲学的なことを書きます。

低時給社会

金利、低成長、低インフレ。

欧州や日本の状況ですが、これは何を表しているのでしょうか?

 

いろんな経済学者があれこれ言っておりますが、私は「時間の安い社会」になったと捉えています。

 

金利

金利は借金の価格といえますが、借金は消費や投資を前倒しするためであり、たいていは時間を惜しんだ人がやります。コツコツお金を貯めるよりは、金利を支払ってでも今すぐ欲しい。お金を使うことに対して積極的な人が多い社会ほど借金の需要が上昇し、値段である金利が上昇するわけです。

 

低成長

ある程度社会基盤が豊かになると、社会を改善する余地が小さくなり、人々は働かなくてよくなります。だから低成長は豊かさの象徴といえるでしょう。

逆説的に、個人が働く必要が無くなったことで、「誰からも必要とされてない」と感じて自己重要感の低下に悩む人も増えてきます。仕事は簡単になり、替えがきき、安く働いてくれる人に仕事が流れる・・・

こうなってくると豊かさ・便利も考え物ですね。

 

低インフレ

インフレと時間はどういう関係があるでしょうか。一見、関係なさそうです。しかし、インフレがないと「過去に頑張った人」が報われて、「今頑張っている人」や、「これから頑張る人」が損をしてしまいます。

まだまだ人が働いて支えないと社会が回らない部分があるので、頑張っている人が報われるような社会が望ましいです。つまり、人件費を上げて物価も上げないといけない気がします。

 

低時給社会での生存戦略

時給が安いので、働いて稼ぐことが難しくなります。

「生活するのに、何時間働く必要があるか」を考えて、それが一番低くなるような生活を採ればいいのです。

 

 

ケチは野菜を食べよう

私はケチです。

 

何故かというと、比較的難儀なことをしてお金を稼いできたからです。

派遣で、誰もやりたがらないような仕事をやってきました。

時給は1割増しですが、キツさは2割増し。

 

そんな感じなので、1000円の重みが違います。どうせ使うなら、効用ベースで使いたい。生命維持になるべく使いたいのです。

なので、娯楽系を買うということをあまりしません。ゲームの課金などは一度もしたことがありません。(マインクラフトというゲームを700円で買ったことはある)

 

このように石を持ち上げてきた人間は、人からいい評価をされる為の努力を怠ってきたために、今大変なことになっています。

 頑張ってきたことといっても、所詮バイト。節約もバイトも就活では評価されず、全落ちしました。しかし、筆記や書類は通っているので、人間性や見た目で落とされている可能性もあります。何が原因で落とされているかわからないという・・・

大学でもそれなりに勉強してたし、頑張ってきたつもりなんですけどね~。

収入や生活水準が他人に握られている状況は非常にストレスがたまりますわ。

 

話がそれましたが、ケチは間接的に人を安く使うことになり、デフレを招き、社会的に害悪なのかについて考えていきます。

 

結論から言うと、ケチは必ずしも人を安く使うことにはなりません。

だから、大いに節約して結構なのです。

 

ただ、買うものを選ぶ必要はあります。

 

ある製品が自分の手に入るまでに、どれだけの労働力が投入されたかを考えればいいのです。例えば、1000円分の何かを買ったとき、その製品を買うまでにどのくらいの人手や手間がかかっていて、どのように値段がついているかを考え、時給をはじき出します。

 

もっとわかりやすく言うと、「この製品が生み出されるまでに、どれだけの人が、どれだけ働いたのか?」という視点で物を買えばよいというわけです。

 

当たり前ですが、手間をかけるほど物は高くなります。しかし、それがいいものかは別問題です。砂漠で売る水の話と同様、価格の殆どを輸送料が占めている場合もあるわけです。

こうした面で見ると、割高なものを消費するのは自己顕示欲を満たす点において一番です。いい時計を身につけたり、フェアトレードでオーガニックな野菜を買ったり。彼らは、人を高く使っているという”名誉”を買っているのです。

ビーガン人は、よく買い物を投票といいます。消費が単にモノを買うだけではなく、意味を買うようになってきたということだと思います。

 

私は、できる限り手間のかかっていないものを適正な値段で買いたいと思っています。少ない人手で生み出された価値のある商品ということですね。

こう考えていくと、野菜・果物が一番条件を満たしています。植えて生えてきたものを収穫して輸送するだけ。こういうと農家さんに怒られそうですが。野菜の種類によっても手間がかかるもの、かからないものがありますね。

庭に植えているフーチバー(ニシヨモギ)は0円ですが、栄養価が豊富であり、ガンのリスクを低減させることができます。

 

まとめ

私は外食があまり好きではありません。というのも、裏を見てきたからです。(出稼ぎフィリピン人、黒い油、ゴキブリ、落ちたものを揚げて出すなど。)

私の身の回りには、いまだに価値を値段で判断する人は多い印象です。単に値段だけを見るのではなく、それができるまでの過程を知り、消費者としてのリテラシーを上げる必要があると思っています。

こうした高リテラシーなケチが買えるものが、無加工な野菜だよということです。

 

しみやけん6種

現在のポートフォリオの概要を公開します。

銘柄数はこのようになっています。

 

<図>

 

2銘柄で50%を占める、分散とは程遠いポートフォリオです。

この2社は中国の有名な金融株と生活必需品株です。どちらも控えめに安定して業績が伸びています。低PER・高ROE・高PBRな株です。

 営業キャッシュフローが滞りなく、10年以上連続増配しており、自社株買いも実施しています。だから高PBRなのは仕方がないと思っています。この2社に絞ったのは、売上高利益率とROEが同業他社と比較して頭一つ抜けており、商品にも競争優位性があると考えたからです。

中国株には2桁成長している低PER株が多いですが、ROEが低かったり、売上高純利益率が極端に低いケースが多いです。このような会社は固定費用の割合が高いため、何かあって売上が下がった時のダメージが大きいと考え、除外しています。

 

また、不動産や公益セクターに多いのが、純利益を売掛金売掛金利息で計上しているパターン。指標だけ見るとかなり割安なのですが、財務レバレッジが高く、1年でも支払いが滞ると赤字(最悪倒産)になる可能性が高いことから、それらは除外します。

バフェット太郎氏のいう「純利益は会社の意見。営業CFがリアル」ですね。

 

 

セクターはこんな感じです。

<図>

守りを意識しているため、ディフェンシブで継続的な消費がされる事業が中心です。石炭・タバコは反ESGとなってますが、財務や利益構造は盤石です。どちらも、今後10年は生き残るでしょうし、仮に暴落したとしても配当で十分回収できると判断して投資しました。

出版社は教科書の販売ライセンスをもっており、毎年継続的な売上が期待できます。不景気になったからといって人々が勉強することをやめるとは思いません。通信も同様で、現在9億人が契約しており、前払いで携帯料金を支払ってくれます。

今後20年は安定したキャッシュフローが期待できるでしょう。

 

ポートフォリオ全体の指標はこのようになっています。各会社の指標を組入れ比率で掛けて合計した値になります。取得単価は手数料を含みます。

<図>

 

詳細はこちら

 指標どれを見ても、S&P500・香港50より良いのがわかると思います。もちろん、国によってインフレ率や金利水準が異なるため、単純に比較できるものでもありません。

それでも市場平均を上回る安全域は確保できていると思っています。

 

予測リターン

<図>

 予測リターン=PERの逆数+EPS成長率

 

 EPSの成長率は、できる限り控えめに見るべきです。2011年に同じ株をバフェット分析しているブログをみつけましたが、10年後の予想株価を実際の5倍も高く評価していました。これは、EPS成長率を過大に見積もったからに他なりません。

 

石炭株は横ばいなので成長率はゼロ。一番悪い時の業績が続くことを想定しています。タバコ株は悲観視して-2%の成長を想定しています。(実際、過去8%で成長しています)

少し悲観しすぎかもしれませんが、どちらも非常に割安なので15年あれば元が取れる計算です。

 

これら予測リターンは、単純に過去のEPS成長率の平均を取ったものではありません。

 売上成長率の10年平均を用いています。利益率を上げるには限界があるからです。また、市場規模がどのくらいあって、あと何年成長する産業であるかで推測しています。

 例えば通信費。一人当たりの売上額を割り出し、それがその国の平均所得の何%なのか、いくらまで値上げできる余地があるのか… などを考えます。

 通信はもはや生活に欠かせない必需品となっているため、公益性の観点から値下げ圧力がかかると考えられます。日本ですらあんなにインパクトがあったのに、中国の独裁政権が本気を出したらどうなるか・・・

よって通信株の成長はインフレ率程度とみています。

 

競争優位性の判断

競争優位性については、数字ではなく実態を見て判断します。実際に中国のECサイトで商品名を検索し、他のブランドと比較します。現在中国には海外ブランドが参入しておりますが、いずれは国内ブランドがシェアを奪っていくと考えています。これについては別で記事にします。

 

 抽象化された数字・指標ではなく、自分の生活と照らし合わせて常識的に考えていくわけです。アマの知恵ってやつですね。

 

運用方針

 配当利回りが高いですが、意識して組んだわけではなく、キャッシュフローや指標が割安な株を選んだ結果、高配当なポートフォリオになりました

 配当金は予定通りに支払われれば税引き後で約30万円となります。この配当金はリバランスではなく、一番下がっているものに再投資していきます。しかし、経営状況が悪化したり、新たに魅力的な投資先が見つかった場合は、この限りではありません。

 じつは、6種以外にも投資を迷っている銘柄が一つありまして、キャッシュや指標はとても好条件なものの、継続的な成長に疑問があるという理由からポートフォリオに入れていないものがあります。ちょうど1単位30万程で買えるので、配当が入ったらこの株を買うかもしれないです。

 

 3%を占めるのは、中国の水道会社と出版社です。配当がよかったのと、割安だと感じたのでなんとなくで買いしました。業績・株価ともに落ちておりますが、元高と配当金でトントンという感じです。

この投資は失敗したと感じており、これ以上買増す予定はなく、売ろうとも思ってないです。

 

石を持ち上げる

「こんなきつい思いをして働いているのに、なんでこれだけしかもらえないのか」

「私は○○時間も働いている。上司はいつも定時に上がって、私の倍もらっている」

「なんで新卒は手取り200万も貰えないのか。社会は私に対して、もっとお金を払うべきだ」

 

石を持ち上げては降ろす。それを繰り返す。

そして筋肉痛になり、道行く人にこう話す。

 

 

 

 

「私はこんなに頑張った。だからお金をくれ。」

 

どこまで知るべきか

 

個別株投資家の仕事

不労所得。寝てても入ってくるお金。憧れますが、どうやら個別株投資家はそうでもなさそうです。

「長期でー」とか言いながら日々の株価をチェックして、保有する事業の将来性をあれこれ考えて、「減益するかな…?やっぱりしないかな…?」「もっと割のいい投資先は~」

などと悩みながら結局は今の株を保有して、投資資金の3-10%を毎年受け取る。日々情報収集を怠らず、投資本を読んで勉強。

 

うーん。これは本当に不労所得なのでしょうか。勉強や経済メディアに触れるのを労働時間とすると、時給換算ではバイトのほうがいいのでは?と感じます。

入念に株価をチェックしたり勉強に熱中するのは、自分の投資判断に自信がないことのあらわれですね。楽しいからとかではないです。

 

何も実績がないので仕方がないことです。儲けたら自信がついて、気にしないでいられるようになると思います。

今できることは情報収集ではなく、調べた事実を信じるだけです・・・

 

 

バフェットの名言

自分の理解できないビジネスには投資しない

 理解しているとはどういうことなのでしょうか? 

 当然、バフェットも人間ですから、自分の持っている会社を細部まですべて把握しているわけではないと思います。

 

このことは

自分の「能力の輪」を知り、その中にとどまること。輪の大きさはさほど重要ではない。大事なのは、輪の境界がどこにあるかをしっかり見極めることだ

と言っていることからも分かります。

 

よく、バフェット氏が株を売ったり買ったりすると、勝手な憶測が流れます。

金鉱株を買った時も、「バフェットの真意」などという二次情報が作り出されて、youtubeで何万回も再生されました。

 

しかし、バフェット氏の投資行動って一貫性がないというか、わかりづらいんですよね。いわれているほど長期で保有してないし、個人的に韓国株に投資しています。

バークシャーの持ち株を見ても、PERやROEといった指標面の共通点がありません。

それから、言ってることとやっていることが違ったりもするんですよね。米国は特別な国だといいながら、米国株で新規に買ったのはベライゾンシェブロンくらい。ハイテク株は割安だと言いながら、アップルを売ったりするし。

なんか、バフェット氏の発言を額面通りに受け取るのは、危ない気がします。

 

投資家が知るべきこと

最近、クラウド時代の思考術という本を読みました。

知りたいことが調べればいくらでもわかる時代に生きる私たちは、記憶を外注化して、自分の無知に対して無自覚になるというようなことが書かれてありました。

 

自分だけではなく、他人が何を知っていて何を知っていないのかも、わかりにくくなっているようにも思います。

だから、「こんなに儲けている会社がこんなに割安になってるなんてありえない。何か裏があるに違いない。もっとよく調べなければ…」と疑心暗鬼になってしまう。

 

慎重で分別のある人ほど、大胆な行動を取らない。みんなと似たようなポートフォリオをつくる。

どんな事業にもある程度は良い面と悪い面があって、リスクはなくせないんですけどね。そんなことわかっているけど、Google先生はお構いなしに全部教えてくれる。

それだけでなく、(親切にも?)誰かさんの見識や解釈まで教えてくれるわけです。

  • 自分の知っていることをどの位の人が知っているか。
  • みんな何をどう判断して株を売買しているのか。
  • どうしてこの値段で、私に株を売ってくれたのか。

このことを常に考えながら、投資を続けていきたいと考えています。

 

まとめ

 自分の持っている株を誰も買っていないからと言って、不安になる必要はない。売上の源泉がどこにあって、それがいつまで続くのかということが何よりも大事。

投資哲学① 絶対に絶対はない

投資哲学シリーズその①

誰しも、座右の銘というか、行動指針のようなものを持っていると思います。

私も3つの投資哲学をもっており、それを書いた紙を机に貼って毎日読んでいます。

今日はその中のひとつ、「絶対に絶対はない」を紹介します。

 

認識されるとリターンが下がる

 様々なブログで勉強していくなかで、

長期投資のやり方は、二大流派があるように感じました。

 

ひとつは高配当投資。優良株かつ高配当株を自分で選択して、配当再投資を愚直に続けていくというやり方です。高配当を選ぶのは、シーゲル教授の研究から高配当株のリターンが長期でよかったからという理由や、インカムが精神的な安定になるという理由からです。

シーゲルランキングなるものがありまして、1957年から米国市場内の個別銘柄を追跡調査し、配当再投資したときのトータルリターン上位20が出されています。

S&P500が名目8~10%と言われている中、1,2位のタバコ株は19.8%と倍近いリターンを出しています。3位以降はBMYやABBTといったヘルスケア株で16%前後、5,6位はみんな大好きコカ・コーラペプシで15%前後。シーゲルランキング上位は日用品やヘルスケアセクターかつ高配当株が多いことから、高配当戦略の根拠となっているわけです。

 

しかし、最近はこうした”高配当優良株”は、人気化して買われたことでただの優良株になってしまいました。コカ・コーラは予想PER25倍で配当が3%前後です。シーゲルランキングの2003年版と2020年版を比べると、全体的に平均リターンが1%程落ちています。(がPERは上昇している)

生活必需品セクターの安定性が認識されてPERが割高な状態が続いているので、益回りは下がり、債券のような金融商品になっていると考えられます。(優良株の債券化

興味深いことに、2003年と2020年の中でタバコ株だけはリターンが落ちていませんでした。タバコ株は優良な財務状況にも関わらず、何度も存続が危ぶまれて高値から半値に落ちるということを繰り返してきました。

不確実性が時間とともに確実性となってリターンが低下傾向にある他のシーゲル銘柄とは対照的に、タバコ株は不確実性が大きかったために、PERが下がり、高いリターンを上げることができたと考えられます。

 

思考停止と思考のシーソーゲーム

もうひとつはインデックスファンドでの消極運用。どんな株が上がるかは予測できないけれど、株は長期で6.5%の実質リターンを上げてきたのだから、すべてを時間分散で買っていけば満足いく結果になるという主張です。

謙虚に市場の平均を低コストで取っていくことで、結果的に大半のアクティブ運用より上手くいくってことです。

 

現在、高配当株は市場平均に劣後しているため、インデックス運用がもてはやされています。あのバフェットもS&P500に投資しろと言っている。

S&P500は素晴らしいリターンにはなりましたが、これからも6.5%の実質リターンを生むでしょうか? 株は元本が保証されていません。純資産と純利益だけが価値のよりどころなのです。PERの逆数にEPS成長率を加えたものがリターンとなりますが、現在のS&P500の益回りは予想で4%程度。純資産倍率に至っては4倍です。

高配当株同様、過去の実績から人気化してみんながインデックスファンドを買うことで高い株と安い株の差が開き、それがさらにパッシブマネーの流入によって助長される・・・

 市場は合理的ではないというのが、時価総額加重平均の限界です。石油を20兆円売っている会社より電気自動車を3兆円売っている会社のほうが3倍も高い。だからS&P500採用銘柄を1銘柄0.2%ずつ均等に組み込んだ場合、市場平均を大幅にアウトパフォームします。もっとも、コストは高くなりますが。

 

このように、消極運用をやる人が増えればアクティブ運用の投資妙味を作ってしまうため、卵が先か鶏が先かの状態になります。常にインデックスファンドが最高なリターンを上げるというものではありませんし、インデックスをやれば損をしないというものでもありません。つまり、思考停止と思考のシーソーゲームです。現在は思考する側が有利になっているように感じます。

(だって、あのウォール街のランダムウォーカーを書いたバートンマルキール氏が個別株に投資しているんですよ。)

 

GIXTに投資しよう

日本人は過去の栄光にすがりたいのか、世界の時価総額ランキングと検索すると1989年のものが出てきます。アメリカはそんな昔のことは気にしてません。それよりちょっと後のランキングが出てます。

GIXTとは、かつて世界の時価総額ランキングで首位を取った米国企業のテッカーシンボル GE・IBM・XOM・T(AT&Tの頭文字を並べたものです。かつてはこの四社がGAFAMのごとく優良株扱いされていました。大学の図書館には「石油帝国!オイルメジャーが世界を支配する」的な本があります。デカすぎて脅威扱いされるあたり、いまのGAFAMとそっくりですね。

GIXTを長期保有した結果どうなったか・・・は各自ご覧になってください・・・

 

ポートフォリオ

 株をやる以上は儲けたい。1億円ほしい。しかし、変動が大きいと狼狽売りするかもしれないから、できればリスク(標準偏差)は小さくしたい。でもやっぱり大きく儲けたい。リスクとリターンは比例するから・・・あれ?、ほんとうに比例するのか?

現在の運用額で億の資産を築くには、年利15%-20%を目指す、リターン狂にならなければなりません。元本の安全性を確保したとしても、値動きの標準偏差は小さくできないでしょう。

 

だから、値動きの乖離を利用するポートフォリオを組みます。

 

具体的に言うと、某太郎の秘密のポートフォリオです。

たしかに、彼のクソダサいポートフォリオは現在市場平均に劣後しています。

しかし、高配当株の再投資戦略が長期でいい結果を出してきた背景には、単に優良企業であるという理由だけではない、相場の力学的なものがあることを発見しました。

そして、彼の考え方・フレームワークを応用して銘柄選択を行い、しみやけん6種なるものを作りました。まだ実績も何も出していないので、恥ずかしくて公表することはできない(したくない)のですが、定期的にリターンを公表していこうと思います。

 

”絶対に絶対はない”という言葉は、矛盾しています。前の絶対が正しければ、後ろの絶対は絶対ではなくなる・・・どことなく、相場に似ていると思いませんか。

これは、ソロスのいう「市場は常に間違っている」に近いです。何かが認識されて、大衆がそれを元に判断して行動を起こすことで、正しかった何かは正しくなくなる。

 

一般的に言われている投資理論や投資法は、間違っているか、ベターではあってもベストではありません。

 

 

と何の実績も出していない私が偉そうなことを書きましたが、これを今から証明していきたいし、証明していくつもりです。

株式投資について

投資家の存在意義

悲観主義者から買い、楽観主義者へ売る現実主義者~

投資家は資本主義の頂点。特に株式に投資すればお金を働かせることができて、経済成長の恩恵を座ったまま受けられる―

そんな表現を耳にしますが、それならなぜ、みんな投資をやらないのでしょうか?

 

答えは簡単。それが嘘だからです。

 

株の殆どは利益を生んでいない

Do Global Stocks Outperform US Treasury Bills? by Hendrik Bessembinder, Te-Feng Chen, Goeun Choi, K.C. John Wei :: SSRN

 

 まず経済成長の恩恵について。経済は発展していますが、経済成長率の高さとその国の株式市場のリターンは相関しないことで知られています。また、経済成長の恩恵を受けるのは消費者であり、最初にリスクを取る(そして大体は損をする)のが株主です。

「賢明なる投資家」には自動車、鉄道、航空機、情報通信といった、確実に成長を見込める産業が株主の利益に繋がらない(むしろ株主が損をしている)ことが指摘されています。最近では環境とAIが盛り上がってますね。PSR20倍超えのテスラはどうなってしまうのでしょうか・・・

 

資本主義の最底辺にいる株主

 まず、会社に売上が入ります。はじめに経営者・従業員が賃金を受け取り、次に債権者(銀行と社債)に決まった額の金利が入ります。それから税金が取られて、株主に配当が入ります。そしてその配当から更に20%税金が取られます。株主は最後にカスみたいな、残った部分を頂くのです。大事なお金で何の裏付けもないものを買って、儲けが出ても後回し。だから投資家は細心の注意を払っておこぼれを頂きながら、自分のお金を監視して守っていく必要があります。

 

「資本主義の恩恵を受けよう」が言われ始めたら天井付近ですね。賢明なる投資家にも、1920年代にそんな見出しの雑誌が流行ったとあります。

 

幸いなことに、株は200年にわたって儲かったという事実から、株は市場でいつでも買ってくれる人がいます。誰も従業員との利害関係だとか、経営について深くは考えなくなっています。

 

「賢明なる投資家」の初版の19章には、株主の経営監視義務について書かれてありました。しかし、最新版では無くなり、配当について少し意見する程度になっています。

 

 株なんて、下がれば下がった値でいつでも買いたい人が現れるし、分散すれば損失は限定的。経営や従業員の賃金が気に食わなければ売ればいい。経済が豊かになってきたので、労働者は愚痴を言いつつもストを起こすこともなく、株主の分を残してくれます。法整備が進んで、株主コストが下がったということですね。ありがたや。

 

そんなわけで、株はカジノとしての側面を持つようになりました。経営がどうだろうと、儲けがどうだろうとご勝手に。他人が自分より高い値をつけて買ってくれればそれでいい。会社はうねうねするチャートに抽象化されて、毎日数兆円の富が人から人へ移動しているのです。

 

それでは、株式投資家はギャンブラーと同じなのでしょうか。グレアムはそれを投機家と定義し、投資家と区別しました。

投資家とは、裏付けのあるものを適切な価格(安全域)で買って儲ける。

投機家は株の転売によって儲ける。

 

 どちらがいいか悪いかという話ではなく、儲けやすく満足できる結果が期待できるのは投資家のほうだということです。

 

 なんであれ、価値の裏付けがあるものを適切な値段で買えば、それは投資になります。たとえビットコインでもゲームストップ株でも、払った以上の価値があるのであれば投資といえるわけです。

 

 私は、この本を何回も読んでいますが、投資の極意以上のことを学んびました。大衆に惑わされず、合理的に振舞うことは生きていく上で必要な力であるということです。

 私は就活でもこの哲学を使っています。ネームバリューや人の話ではなく、きちんと数字を見て入る会社を選ぶこと。「人・雰囲気」などという定量化できない曖昧な判断基準で生涯賃金を決定しないこと。

 

 株式市場は余剰の捌け口としての役割もあります。資本主義というシステムは今後も続き、平等な資源分配社会は株式投資の大衆化によって到来することになると思います。(持続可能かは不明ですが)先進国の生存コストは信じられないほど低くなっています。これからの資本市場は、長期的に見れば、米国を主導にイスラム金融化していくことになるでしょう。

金利には社会資源の浪費を抑える役割が、投資家には利己的にシーソーの反対側へ行って均衡を保つ役割が求められます。その対価としてお金を頂くのであれば、一概に搾取とは言えないかもしれません。

 

悲観主義者から買い楽観主義者へ売る現実主義者

 現実主義者でいるためには、知恵と常識的な思考力が必要です。それ以上に、感情に流されないようなフレームワークが必要となります。

 みんなが恐れているときは貪欲に、みんなが貪欲な時は恐る恐る――

 

楽観主義者ワード(売り)

 →借金、何かやる、アクティブ、快楽主義、今を楽しめ、株を買え、酒、

 インフレーション、低金利、変化と成長、好況、アメリ

 

悲観主義者ワード(買い)

 →貯金、何もしない、パッシブ、禁欲主義、先が不安、預金をしろ、健康食品、

デフレーション、高金利、保守と現状維持、不況、日本